日本環境財団  斎田 英次
第1回 そもそも「エコロジー」って何ですか?

はじめに

Eには「エコロジー」の意味をもたせました。
ちょっとではいかん!!とお叱りを受けるかもしれませんが、暮らしのなかでのちょっとした話を通して、「エコロジー」について疑問をもったり、考えさせられたというようなエピソード、「自分の好きないい感じ」と「エコロジー」と「いい暮らし」とがつながった一場面を切り取ったりして、皆さんへご紹介しながら、一緒にエコロジカルな暮らし方、もっというと生き方を少しでも明らかにできたらと思っています。「こんなことを知りたい」など、ご希望がありましたら是非ご連絡ください。ときには突撃取材を試み、おもしろい情報をお届けしたいと力んでいます!どうぞよろしく



新聞やテレビでも、「環境問題・エコロジー」が話題にならない日はなくなりました。さりとて、どうも私たちの暮らしには近づいて見てみると、「総論賛成各論反対」「良いことだけどコストが高い、手間がかかり面倒、がまんはいやだ」「他山の石」などなどの本音が聞かれ、理想と現実のギャップはまだまだ大きいようです。

さて、最初なので、「エコロジー」ってそもそも何なのかということについて少し一緒に考えてみませんか?
まず、学問的に少しご紹介しますと、次のようになります。
狭義的には「生態学」を意味していますが、この言葉は1866年、ドイツのE・ヘッケルさんという生物学者によって、生物の生活や家をあらわす「オイコス」と科学をあらわす「ロゴス」というラテン語が組み合わせた造語としてつくられました。しかし、このときはまだ人間と動植物は別物として扱われていたそうです。ちなみに「エコロジー」の語源となった「オイコス」は経済学(エコノミー)の語源でもあります。
その後、1892年家政学・家庭経済学(ホームエコノミクス)の母と呼ばれるエレンスワローさんによって人間と環境(水・土壌・空気・植物・動物そして人の活動との有機的な関係)にあらためて「エコロジー」と名づけられました。 
このエレンさんは住環境の改善運動や消費者保護運動の礎を築いたと言われていますが、ヘッケルさんのことはもちろん知っていて、その上で、「エコロジーには人間も含まれる。私たちも地球上の生き物としてその一員なんだ」とそれまでの「エコロジー」の考え方を広げた?深めた?功労者です。
色々なところで目にしたり、耳にする「自然に還る」という何気ない言葉の意味はこんなところから生まれたのかなあと思います。
ある意味ではこれが今の「エコロジー」の考え方の基本になっていると言われています。
今や、日本でも環境問題に携わったという人たちは一度は読むと言われている本があります。
興味のある人は是非読んで見てください。「宇宙船地球号」/Kホールディングス著(アメリカの経済学者)と 「生きている地球・ガイア」/J・ラブロック著(イギリスの海洋生物学者)です。
地球はひとつの生態系であるということ、そしてこれからの私たちの生き方を示唆するメッセージが分かりやすく示され、とても参考になると思います。

とは言え、今の自分の暮らしを考えてみても、エレンさんがいう「エコロジー」とはかなり、遠いところで暮らしているなあと思います。皆さんはどうですか?もし「私はこんなエコロジカルな暮らしをしている」という方がいらっしゃれば是非ご一報を。取材させてください。

ものごとは皆そうかもしれませんが、私は、このエコロジー問題について「理想と現実のギャップ」を埋めるのにどうしたらいいのかなあと毎日考えています。

つづく
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