日本環境財団  斎田 英次
第2回 「大好きなテレビコマーシャル」

昨年ぐらいからでしょうか?
「リビングは環境です。」
某家電メーカーのCMで、世界的建築家フランクロイドライトの設計した家で、日本を代表する大女優、 吉永小百合さんが、実にゆったりとした振る舞いのなかでの一言・・・・・・・・。
それを見た妻が「あんなところに住みたいね〜」と。
皆さん一度は見たことがありますか?私はこの影響は大きかったと思っています。環境問題に関わる仕事をする者の端くれとしても結構好きです。

「そう!リビング(居間)も環境なんだ!」
「当たり前じゃないか」と言われそうですが、私たちが居るすべてのところは文字通り「環境」なんですね。言い変えれば「環境」は「私たち暮らす場すべて」であり、「家」は暮らしの根本ですね。それをはっきりとても多くの人たちに伝えた功績があると思います。環境CM大賞があれば推薦したい!!
今まで暮らしのなかの「環境=エコロジー」というと、「ごみを分別しましょう」とか、「電気をこまめに消しましょう」「節水しましょう」などのメッセージが主でした。もちろん大事なことですが、このCMの場合は「私=環境=リビング=家=心地よいライフスタイル→テレビ」になっていませんか?
私は同時に、あの暮らしならば、自然と環境にやさしい暮らしができるんじゃないかあと感じました。皆さんはどうでしょうか?
それと、これを見ていると、自分の本当に気に入ったものに囲まれ、シンプルに暮らしたいと願っている自分にも気づきました。
なんだか良い暮らしについて、社会の判断基準が、少し変わってきたとは思いませんか?
最近このCMの第2弾がでましたが、これまた見晴らし絶品、豊かな森に囲まれているとても瀟洒な佇まいの家が舞台。素晴らしく清々とした家のリビングで、心地よさこの上なし・・・・・・浮世ばなれしているけれど、この環境がいいなあ。」
ものが溢れる時代・暮らしと言われて久しいですが、ちなみに「家」ひとつとっても、もう日本には世帯数以上(4000万世帯)の家が建っているんですって。「量」を求めていた私たちの暮らしが何か違うものを求めるようになってきたのは当たり前かも知れませんね。そんななかであなたはどんな暮らし方を選び取っていきますか?

プロフィール:斎田 英次 (さいだ えいじ)
1971年 長野県松本市生まれ 
32歳。東京学芸大学教育学部卒業。
1999年(財)日本環境財団入局。 
現事務局次長。
同財団のエコロジーハウス推進機構を担当し、
エコハウスに関する住まい手対象、プロ対象のセミナーや見学会を企画実施。参加者
数は年間約700人。その傍ら、エコハウスに関する住まい手対象セミナーなどの講師もつとめる。
※写真「月刊ニューハウス」9月号引用



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