日本環境財団  斎田 英次

第4回 ヨーロッパのエコライフ・エコハウス PART2


スイスのチューリッヒ郊外にたつ一戸建てを見てきたときのことをお話します。
読者の皆さんはほぼマンション住まいだと思いますが、欧米では一戸建ては少ないんですって。私が見て廻ったスイスやドイツでも集合住宅が多く、様々な規模のものがあります。郊外に行くと通称:2戸1住宅(2世帯が一つの建物に住まう家)を数多く見かけました。

そんななかでもエコライフに特に力を入れた家を見ました。
鉄骨でつくってあるといっていましたが、外観は木の壁とアルミの壁と2タイプ。
写真を見ると透明の波板みたいなものが見えます。話を聞いたところ壁で太陽の熱を集め、それを波板の内側にある特殊な材料の工夫(かなりローテク)でためておいて、じんわりと熱を建物に伝えるというやり方なんだそうです。夏は涼しい風がためられると説明してくれた技術者は自信たっぷり。
で、何がいいのかということなんですが、光熱費が極端に安くなると言っていました。通常の3割ぐらいと住んでいる人が言っていましたよ。
窓は明るさを確保する最低限の大きさで日をあびたいときはサンルームや屋外で、ということらしいです。それよりも暑さ寒さを快適にしのいで、省エネで、という考え方。
詳しいことを聞きたいという希望がありましたら別の機会に。

内装は子供の年齢に応じて部屋の壁を塗り替えるんだそうです。これは世界に700以上あるシュタイナー学校によく見られます。例えば小学校3,4年はオレンジ、小学校5,6年は紫、といった具合。成長過程に応じた教育の現場で適切な住空間や色があるんだそうです。今、日本でも日本アントロポゾフィ協会というところが学校をつくるため活動をしているそうですよ。
内装材はもちろん自然素材を中心としたエコロジカルな建材や塗料です。かなり当たり前のようですね。日本ではまだまだですね〜。

私がとても気に入ったのは、実はそこにあったウサギ小屋ならぬウサギの邸宅。
庭の一部にネットをかけ、そのなかにウサギにとってみれば広い住空間があります。
その邸宅の広さ、屋外にも安全にしかも自由に飛び出せるそのプランニング。
エコマインドをもった住人ならではの素適なアイディアでした。
そういえば日本人の家は外国の人や、アイロニカルな日本の建築家の人たちからウサギ小屋といわれますよね。トホホ。どうしてこうなっちゃったんだろう・・・・



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