ある飲み会で、「九回忌は残念ながら出席出来ません。今、郷里で喫茶店のマスターをしています」と、とあるメールを紹介した商社マンが語った話だ。
五十歳そこそこで亡くなった先輩の命日に、元部下であった同僚たちが仏前に集うようになって、足かけ十年になる。奥様と二人の子供さんを囲んで、先輩にまつわる思い出を楽しく語り合う。
その先輩は、セブンイレブンが日本に導入されたとき、イトーヨーカ堂の経営者のお手伝いをするほど信頼され、かつ活躍した。
その先輩の口癖が、「浮利を求めず。何事も愚直に!」であったせいか、後輩たちがTシャツに『愚直ルネサンス』と染め込み、そのTシャツを着込んで、世界を駆けめぐったそうだ。
「テロ、狂牛病、炭疽菌、大不況。こんなことに負けるもんか!」と、気合を込めたこの現役商社マン、ややメッシュは粗いがチャレンジングな好漢だ。身ぶりが豊かで実に楽しい。
話は続く。先輩が残した一枚のプレート、課を識別するための三けたのコード番号が表示されている。今もこの「一枚のプレート」が人を集めるという。集まる人は転職組も多く、多彩だ。先輩の元秘書役も家庭人であってクラブママ、その後学校へ通って今はグラフィックデザイナー。
このナンバー、紆余曲折を経て使用中とのこと。
とある商社の、力強さの原点を垣間見たような気がする。
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