Frontier 2010 Summer 
 
 

“シーアイマンション子平町”管理組合の皆様。
(左から)副理事長の晴山さん、理事長の千田さん、監事の太田さん。
歴史ある寺社や大学・高校なども多い、静かな住宅街に建つマンション。1990年築。
マンション隣の理事長宅にある、仙台市指定樹木(樹齢約400年)の見事な藤棚。毎年、花の見頃の時期には、お庭を一般公開に。

仙台市からの提案で新しい給水システムに
理事長の千田さんは、地区のボランティア活動のリーダーとしても活躍する。
シーアイマンション子平町は、杜の都・仙台でもさらに緑の色濃い閑静な住宅地に建つ総戸数37戸のマンションです。
こちらのマンションで取り組まれたのは、「直結増圧給水改修工事」および「専有部給水管全戸更新」。既存の受水槽・高架水槽の撤去をはじめ専有部と共用部の給水管をすべて更新するなど、築19年(工事を行った2009年で)のマンションとしては規模も大きく思い切った改修工事です。
「きっかけは、仙台市がマンション前を通る市道地下の水道管を更新することで『直結給水』が可能になり、行政も改修を推奨していると知ったことでした」と管理組合理事長の千田さん。
マンションの給水方式には、いったん受水槽へ貯めた水を、高架水槽へ汲み上げてから供給する「高架水槽方式」やポンプで加圧して各住戸へ供給する「加圧給水方式」、水道本管の水をポンプで高架水槽へ揚げてから供給する「高架水槽併用方式」があります。
水道の検針メーター。改修後は市水道局の直接検針・請求になり、管理組合からの請求の手間が省けることに。
それに対して「直結給水」は、道路の下を通る配水管の水圧を利用してそれぞれの家庭の蛇口まで直接に給水するシステム。5階程度までの建物では配水管の水圧だけで各戸まで給水できる「直結直圧給水方式」、それ以上(15階程度まで)の高さではポンプで加圧して各住戸まで水を送る「直結増圧給水方式」になります。6階建ての当マンションでは後者が採用されることに。
「まずは、きれいで美味しい水が飲めるようになる。高架水槽方式で使ってきた受水槽と高架水槽が撤去でき、メンテナンス費用も削減できる。さらには各戸にメーターを付けて水道料金が直接請求されるので、手間も省けるなど、いいことずくめではないかと」(理事長・千田さん)
理事会はもちろん、2008年12月の通常総会でも居住者の皆さんから賛同を得て「直結増圧給水方式」に変更する計画がスタートしました。
漏水はみんなの心配 給水管も全面更新へ
マンションの裏側に配置された「増圧給水装置」。給水管内の水圧を増圧することで建物の上層階までスムーズな給水が行なえる。
水道本管からの水を貯める「受水槽」を撤去した跡のスペース。有効な活用方法を検討中。
ところが、思わぬ誤算が生じてくるのも改修・修繕の難しさ。2009年3月、工事に先立ち水道局の認可を得るための給水管耐圧試験で給水管の「どこかに」複数箇所の水漏れがあることが分かったのです。
「この辺りでは冬の凍結防止に給水管に断熱材が巻かれています。その全てを外して漏水箇所を特定するのは難しいので、専有部分の給水管をこの際、全部新しくしようと話が一気に大きくなってしまいました」
費用は当初の予定から大幅アップ。一般的に給水管の更新は25〜30年目の大規模修繕工事で行われることが多く時期としても早い。また本来は水漏れ箇所のある住戸の方が個人で修繕するところを、マンション全体で直すというのも異例といえば異例でした。
「しかし私や晴山さんなど竣工直後に入居してマンションへの愛着が強い住民も多く、水漏れは自宅だけでなくご近所への迷惑にもなることから、『これを機会にすべて直しておこう』と意見がまとまったのです」(理事会監事・太田さん)
不足分の資金は民間金融会社からの借り入れでまかない、2009年夏に給水管の更新工事、翌年から直結給水の工事が行われ、今年3月にすべての工事が完了しました。
「いったん貯めた水ではないというのが、まず気分がいいですよね(笑)。蛇口をひねるとすぐ金具に水滴がつくのは、それだけ水が冷たくて新鮮という証拠じゃないかと思います」(副理事長・晴山さん)
市内の他のマンションの方からも「直結型にしてうらやましい」と、すっかり評判だというシーアイマンション子平町。
今後は、受水槽を撤去した跡のスペースの有効活用(トランクルームやタイヤルームに使用して収益をプールするなど)をお考えです。
「新しく越してきた若いご家族の声も聞きながら、よりよいマンションを目指していきたいと考えています」(千田さん)
 

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